会場:ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
会期:2025年10月2日(木)~2025年10月15日(水) 日曜休館
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
支部長の細野洋一郎さん、副支部長の伊藤純嗣さん、事務局長の衣川昌宏さんに、企画から撮影、制作過程までの経緯と苦労を語っていただきました。
建築内部の撮影経験が少ない会員も多く、まず「どのように切り取るか」に戸惑いがありました。特に迎賓館は一般公開中の施設であるため、見学客の邪魔にならないよう配慮しながら撮影を進める必要がありました。
また、光の差し込みや反射、天井や家具への当たり具合をどのように表現するかに苦労し、「快適さ」をどのように写真に昇華させるかを意識して取り組みました。
13名の会員が参加しましたが、ベテランから初心者まで幅広く、技術のばらつきをどのようにまとめるかが課題となりました。建物撮影において不可欠な水平・垂直の保持が大きな指摘点となり、修正や現像作業での補正を重ねました。
暗い室内に対応する明るいレンズを持たないメンバーも多く、ISO感度設定をめぐって混乱もありました。また、三脚禁止のため、すべて手持ち撮影で行われたことも難易度を上げました。
延べ撮影枚数は約5,000枚となりました。全データをRAWで収集し、現像はほぼ伊藤副支部長が担当しました。明暗差や色味の調整に加え、全体の統一感を保つ作業が重視されました。最終出力は専門業者に依頼しましたが、色指定やトーンの統一には細部まで指示書を用意しました。衣川事務局長は1枚ごとに細かい指示を作成し、統一感のある展示を目指しました。
| チームで作品制作をするという試みはいかがでしたか? |
特定の会員が得意作品を持ち寄るのではなく、全員で同じ被写体に挑む「共同制作」という新しい試みでした。その結果、撮影量や技量に差がありつつも、全員が1枚以上は採用される形を実現できました。また今回は、迎賓館を「ただの建物」ではなく「芸術作品」と捉え、その芸術性を写真としてどのように昇華させるかが最大の挑戦でした。単に「きれいな建物を記録する」のではなく、作品として成立させることに重きを置きました。
| 展示までにアドバイザーの方などから指導は受けましたか? |
佐藤倫子先生にご指導をいただきました。佐藤先生の指導は厳格かつ実践的で、水平・垂直、露出、構図、展示の順番に至るまで具体的なアドバイスがありました。その過程で「単写真ではなく、展示全体で一つの組写真として見せる」という意識が芽生えました。
THE GALLERYでの写真展実現には厳しい審査があります。最初は数回の応募を覚悟していましたが、2回目で合格を得られたのは意外であり、大きな喜びとなりました。実際には撮影から修正まで1年半を要しました。
撮影中、見学に訪れた人々から記念撮影を依頼されることもあり、成人式の振袖姿を撮影して送ったところ大変喜ばれたというエピソードも語られました。地元住民にとって迎賓館は身近な存在であり、写真活動を通じて地域との交流も深まりました。
今回のプロジェクトは「全員で一つのテーマに挑む」という前例の少ない試みであり、多くの困難と学びを経て実現に至りました。迎賓館という文化財を題材に、「建築を超えた芸術作品としての写真」を目指した本展は、神戸支部にとって新たな挑戦の象徴であると同時に、地域社会とのつながりを深める機会ともなりました。
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投稿を表示支部写真展お疲れさまでした。
私も個展の開催を経験しましたが、個展の場合は自分一人でのプロデュースに対して「全員で一つのテーマに挑む」場合は、足並みを揃える苦労が大変なことをお察し致します。
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投稿を表示とても素敵な写真展でした。
光と影の写し方、プリントの綺麗さ
クラブ一人一人個性があると思いますが
クラブをまとめて一つの作品に仕上げるのが
とても大変だったと思います。
拝見出来てとても良かったです。
これからのクラブの発展を楽しみにしてます。
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投稿を表示神戸支部 写真展 「フランク・ロイド・ライトの建築を撮る」大変お疲れ様でした。ニコンプラザ大阪での展示故、拝見できなかったのが残念でした。「全員で一つのテーマに挑む」とはとても大変だったと思います。作品全体で写真展としての違和感の無いように、まとめ上げなければなりません。困難さが容易に想像できます。しかし今回の取り組みで支部としての更なる一体感の醸成や、皆さんのレベルアップに大きく貢献した事と思います。素晴らしい写真展の開催、誠におめでとうございました。
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投稿を表示どれも端正な一枚ですね。