台湾鉄道紀行 その1
5月中旬、また台湾へ行ってきた。昨年3回ほど行き、今年もすでに3回目だ。今回は日本統治時代の古蹟を訪ねる旅の続きを撮るのが目的だが、初めて東海岸側へ行ってみた。台湾は島の西側の地形が平坦で西側に大きな街が集中している。台湾高鐡(新幹線)も西側を縦貫して台北から高雄まで走っている。それに対して、東側は平地が少なく、かなり山がちだ。印象としては海に向かって山がせり出している。有名なタロコ渓谷(太魯閣国立公園)もこちら側にある。地震も東側の方が多い。
何度も台湾を訪れていながら、これまで1度も東側を訪れていなかった最大の理由は移動の問題があった。具体的には大きな荷物をもって電車で移動することを考えると……気が重かったのだ。私の最近の撮影のスタイルは空港からホテルに着いたら、そこを拠点にしてずっと動かず撮影するというものだ。
若い頃はそうではなかった。かなりアクティブだった。いまは事務所に常駐のアシスタントがいないといことも大きい。アシスタントがいた頃はロケ先にも同行するスタイルだったが、最近は1人でのロケになった。その方が自由で気楽ということもある。
まず東京から台北へ。1泊して、翌朝、台北駅までタクシーで向かう。荷物は大きなものが3つ。キャスター付きのカメラバック、同じくトランク、さらに40リットルほどのリュックサック。本当はリュックサックではなくキャスター付きのトランクをもう1つといきたいところなのだが、3つは同時に転がせないから、考えた末の選択だ。

撮影の際はリュック式のカメラバックの方が使い勝手がいいので、トランクのなかに入れてある(荷物が増える理由の1つでもある。三脚も入っている)。

カメラはZ8 とZ7II。レンズはシフトレンズの24mmと45mmの2本のみ。どちらもFマウントなのでマウントアダプターをつけて使う。マニュアルフォーカスだ。何度も台湾に通っているうちにこの2本だけあればいいと判断した。
我ながら荷物が多いとつくづく思う。若い頃はもっと少なかったのに……何故だろうか。心配の裏返しかもしれない。これもあった方がいいのでは、ではこれも……と次第に増えていく。フィルム時代より明らかに減っていないとおかしいのに不思議だ。

まず花蓮に向かった。新自強號(しんじきょうごう)というなんとも頼もしい名前がついた特急電車。ありがたいことに日本からネットで席の予約ができた。それも日本語で。メールで送られてきた予約票をあらかじめ出発前にプリントアウトしてもってきた。それをチケット券売機にかざすとチケットが発券される。チケット券売機は言語が選べ、そのなかに日本語もある。

新自強號は快適だった。1番心配していたのは大きな荷物が収納するスペースはあるのだろうか?ということだった。だから少し贅沢かと思ったが、グリーン車(台湾ではビジネスと呼ばれている)を予約した。花蓮まで2時間ほどの快適な旅を楽しむことができた。

年齢と旅は密接に結びついていると最近つくづく思う。若い頃はとにかく刺激を求めていた(結果として旅先での思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるのだが、それを楽しむ気力と体力があった)。いまは、それを求めない。年齢を重ねるとはこういうことだろうか。
次回に続く