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会報誌・読みもの

会報280号フォトコンテスト

ニッコールクラブ会報誌上で、会員限定のフォトコンテストを開催しています。上位入賞作品をご覧ください。

サロン・ド・ニッコール モノクロームの部 1席

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「肖像」東 輝(大阪/キャッスル大阪支部)

撮影機種:Z6II レンズ:17-28mm

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 佐藤倫子

被写体からそれぞれの生きざまを感じます。4人の時の流れ、人生を静かに物語っているようなストーリーに仕上げた組写真です。1枚目の光の加減、窓ガラスの写り込み、強い視線。2枚目の撮影者の存在すらも気づかず真剣に仕事をしている横顔。3枚目の長年着続けてきたエプロンといい表情。最後の光へ向かうように自身の体に気を遣いながら歩く後ろ姿、とその1枚1枚が力強く表現されています。またモノクロであることがよりストレートに見入る効果となっています。

サロン・ド・ニッコール カラーの部 1席

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「夏の余韻」馬場景子(大阪/キャッスル大阪支部)

撮影機種:Z8 レンズ:NIKKOR Z 24-70mm

選評:ニッコールクラブ シニア・アドバイザー 大西みつぐ

ひと夏の浜辺。それも夕暮れ時は特にセンチメンタルだったりします。個人の記憶が情景に重なることもありますが、微かな光とその中に浮かぶグラデーションはあまりにも美しく、我を忘れてその場のドラマに没入してしまいます。作者の現場での素直な反応が組写真として綺麗に繋がっています。3枚目の写真が全体をしっかりまとめているのでしょう。抑制されたトーンが印象的で、タイトルにふさわしく切ないイメージを誘います。

ネイチャー・フォトサロン 1席

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「最北の地に生きる」日野昭雄(北海道/道北支部)

撮影機種:D500 レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 熊切大輔

大自然や人間の脅威にさらされながら暮らすエゾシカたちの生活を、ドキュメンタリー映画のような感覚で見ることができました。
3枚組ながらそんな深い物語を感じられたのは、寄り引きの画をバランスよく使い分けたところにあるでしょう。①の3頭のカットは、夕日を上手く使って印象的に表現し、③の利尻富士をバックに撮られた1枚は力強さを感じました。そして、丘を越える引きの②がデザイン的で強く効いています。

ステップアップ・フォトサロン 特選

「夕食時」中山光春(大阪)

撮影機種:Z8 レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 秋山華子

屋台の温かな光が通りを包み込み、立体的な奥行きを生み出しています。背景を適度にぼかすことで通りの賑わいを残しつつ、女性が佇む店内を控えめに切り取ることで、彼女の物思いにふける姿がより印象的に感じられました。さらに、机の上に残された食器が、撮影前の出来事を想像させ、写真に物語性と深みを加えています。複数の被写体を巧みに組み合わせることで、夜のドラマチックシーンを見事に封じ込められています。

ステップアップ・フォトサロン 特選

「緋翠」ZHI BO(神奈川)

撮影機種:Z8 レンズ:NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 秋山華子

カワセミと紅葉が光に照らされ、写真全体があざやかで美しい色彩に包まれています。四隅を暗い色で締めたことで、視線が自然と中央のカワセミに集まり、さらに同系色で統一された赤い背景が奥行きも生み出しています。一瞬先には飛び立つかもしれない状況の中、細部までこだわり抜いた構図が、作品の完成度を高めました。また、カワセミの視線の先に空間を残すことで広がりを持たせ、見る人の想像をかき立てる魅力的な一枚に仕上がっています。

ステップアップ・フォトサロン 特選

「逃げろー」倉本克治(愛知)

撮影機種:Z6Ⅱ レンズ:NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 秋山華子

歩きながら撮影したとのことで、壁面に描かれた鳥たちがまるでこちらに迫ってくるような迫力を感じさせます。さらにモノクロで仕上げることで、色彩に左右されることなく鳥のシルエットが際立ち、より印象的な作品となりました。鳥の形が崩れない絶妙なシャッタースピードの選択も見事で、頭に浮かんだアイデアを具現化するために、構図や設定を緻密に組み立てた工夫が光っています。

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