小林先生の写真ノート <Vol.24>
雲の台
今回は機材について書いてみたい。カメラではなく三脚と雲台について。
以前から雲台という名前が単純に好きだ。何故、そんな名前が付いているのかが気になっていた。カメラをのせるのに何故か雲の台。調べてみると仏教用語の蓮台(れんだい)から来ているという説をみつけた(ほかに別の説があるかもしれませんが)。蓮台とは仏像を乗せる台だという。ということはカメラが仏像的存在となり、おごそかで尊い存在という意味合いになる。
そもそも機材にはあまりこだわりはない方だ。カメラはそれなりに写って、壊れなければいいと思っているところがある。だから、正直あまり詳しくない。操作に関しても自分が使う設定以外はあまり触らないようにしている。油断して変えたりすると、説明を読む余裕がないロケ先で元に戻せなくなったりするからだ。
ただ、三脚、さらに雲台にはかなりこだわりを持っている方だと思う。10本ほど持っているだろうか。多くはジッツオ製だ。本当に太いものから高さわずか15センチほどの三脚(焼き鳥屋のカウンターから撮影するという必要にせまられて買ったが、ほぼ一回しか使っていない)もある。雲台も数多い。
若い頃はハスキーの三脚を使うことが多かった。とにかく丈夫で、エレベーターを伸ばすとかなりの高さが稼げることが利点だった。雲台操作もシンプルで使いやすい。ジッツオは種類もさまざまあるのがいい。堅牢この上なく、信頼感がある。
ただ、雲台が正直あまり使いやすくない。ハンドル(パン棒)のプラスチックの握り部分が小さく(細い)力がいるのと、必要のないハンドルがついている(あくまで主観です)と感じるのと、カメラの底に接合するためにねじ込むネジが雲台部分についているのだが、それが外れやすいなどの癖がある。そのため、いつもその接合するネジを予備として携帯している(もしロケ先などでなくしてしまったら、三脚が使えなくなるため)。
長いあいだ、ジッツオの三脚にハスキーの雲台をつけるというハイブリットの使い方をしてきた。ある先輩フォトグラファーに「もっとも使いやすい組み合わせ」と教えてもらったのが始まりだ。実際に使いやすいし、その組み合わせで使っているプロの方にその後も何人もあった。
最近は別の雲台を愛用している。いくつかのジッツオのカーボンの三脚(年齢と関係あると思うのだが、とにかく軽さ重視。Travelerという名がついたものもある)にさまざまな雲台をつけて使っている。
実は自由雲台は長いあいだずっと避けてきた。すぐにクネっとなる(カメラがいきなりお辞儀してかなり危険だったりする)のが好きではなかったし、実際にフレーミングが難しいからだ。垂直水平が出しにくい。そんな理由で長く使っていなかったのだが、「UMEMOTO」 という日本製の自由雲台の存在を、あるとき三好和義先生から教えてもらって、愛用している。コンパクトなのは当然だが、何よりレバーをある位置まで動かすと、横軸だけが回転する絶妙な作りになっていて、クネっとならない。自由雲台としてはかなり革命的だ。そのためフレーミングの調整がやりやすい。
いま気に入っているのはBENROの「GD3WHCN」という雲台。ハンドルは一切なく、雲台についたノブを回す。それによって三つの方向に動かす。慣れるまで操作に少し戸惑いがあったが、いまでは自然と手が動く。特徴は微調整ができる点。
台湾で建築物を撮ることをここ数年継続しているのだが、そこでかなり重宝している。きちんと垂直水平を出した上で、微妙にフレーミングを変えることが多いからだ。たまたまカメラ雑誌の記事で存在を知った。
ロケ(特に海外)には必ず複数の三脚と雲台を持っていく。無駄だという気もしないでもないが、カメラと等しく、三脚と雲台が壊れたら目的によっては撮影が不可能になる。だからあなどれない。以前、雲台のネジ穴に砂が噛んで外れなくなってしまったことや、同じ理由で三脚の調整ができなくなったことがあったからだ。
