野寺一徳 写真展「聖地・撮り旅」
会場:ニコンプラザ東京 THE GALLERY
会期:2025年12月16日(火)~2026年1月5日(月)日曜休館、12月27日~1月4日 休館
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
年に一度「自分へのご褒美」としてミャンマー、インドネシア、タイと寺院聖地を巡り、撮影をしたという野寺さん。そこで感じた非日常的な美しさや儚さ、そして新鮮さを、写真展という形で共有していただきました。

| 撮影の背景や苦労したエピソードを教えてください。 |
本写真展の作品は、アンコール遺跡群をはじめとしたアジア4カ国の寺院・聖地を、一般の観光ツアーに参加し、妻と旅をしながら撮影したものです。
最大の苦労は、観光客が多い中でいかに人を写さずに撮るか、そして限られたツアー時間内での撮影だったことです。今回の作品は、特別な撮影条件ではなく、あくまで“旅の中での撮影”である点が特徴だと考えています。
| どのくらいの期間で撮影したのですか? |
撮影は2013年頃から2019年頃まで、年に1回または2回の海外旅行を重ねて行いました。1回の旅は約4日間で、複数回の旅を通して作品を撮り溜めました。
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| 使用機材について教えてください。 |
写真展の作品はD300とD800Eで撮影しました。現在は、Z8を使用して撮り続けています。
| 作品へのこだわりを教えてください。 |
テーマは一貫して「聖地」と「異文化」です。日本とは異なる文化・慣習・伝統を持つ寺院や遺跡群を通して、その土地ならではの空気感や歴史を表現することを重視しました。
また、撮影はすべてRAWで行い、今回はあえてモノクロに変換して展示しています。普段はカラーで楽しんでいる写真をモノクロにすることで、遺跡の造形や時間の堆積をより強調しました。
撮影時は風景や遺跡だけでなく、食や街のスナップも撮影しました。現地の子どもたちと会話したり、ガイドに遺跡の背景を質問するなど、人との関わりも旅の一部として大切にしました。

| 写真を始めたきっかけを教えてください。 |
幼少期からカメラへの憧れがあり、社会人になって初めて自分のカメラ(ニコンFE2)を購入したことが写真の原点です。写真雑誌を通して優れた作品に触れ、「自分の写真のレベルを知りたい」という思いからコンテストに応募するようになりました。

| 今回THE GALLERYへ応募した理由を教えて下さい。 |
私は、コンテスト=ホームラン、写真展=試合全体の流れ・物語だと考えています。
入賞作品だけを並べても物語にはならず、強い写真を支える“静かな写真”も含めた全体のバランスとストーリー性こそが写真展の魅力です。これまで様々なフォトコンテストに応募してきましたが、次のステージとして「ボリュームで見せる表現」を求め、個展開催を志しました。
実際に合格した際は、撮影からプリント、校正まで全て自分一人で行った作品が評価されたことに、大きな喜びと達成感を感じました。
| 今後の目標を教えてください。 |
次はまったく違うテーマでの個展を目指しており、すでに水面下で準備中です。現在は安全面(熊の出没など)を考慮しつつ、撮影と表現の勉強を続けています。

| 写真展を目指す方へのメッセージがあればお聞かせください。 |
「ニコン THE GALLERY の審査は難易度が高いといわれますが、可能性は無限にあります。長年撮り続けた写真でも、旅の中で撮り溜めた写真でもチャンスはあります。
写真が好きなら、気軽に挑戦してみてほしいです。


