写真展

後藤 安男 写真展「郊外断章」インタビュー

会場:ニコンプラザ東京 THE GALLERY
会期:2026年7月16日(木)~2026年7月29日(水)日曜休館
   10:30~18:30(最終日は15:00まで)

ニコンプラザ大阪 THE GALLERYにて開催される、後藤安男さんの写真展「郊外断章」。開催にあたり、作品に込めた思いや制作へのこだわり、写真との歩みについてお話を伺いました。


今回の写真展「郊外断章」について教えてください。

今回展示する作品は、私が暮らす大阪郊外の半径約3kmほどの生活圏を、およそ10年にわたり撮影し続けたシリーズです。

高校時代には田園風景が広がっていた地域が、高度経済成長や大阪万博を経て急速に都市化していく様子を見てきました。その変化を記録したいという思いから撮影を続け、今回ひとつの作品としてまとめることができました。
撮影では、人が写っていなくても、その土地に残る暮らしの気配や記憶を感じられる風景を意識しています。かつて農家があった場所や田園の名残など、時間の積み重ねを感じられる瞬間を、できるだけ自然な表現で残したいと考えています。


プリントや展示にも強いこだわりがあるそうですね。

作品づくりでは、レタッチは必要最小限に留め、プリントで作品を完成させることを大切にしています。
今回はA1サイズとA3ノビサイズを組み合わせ、約40点の候補作品から36点を選びました。スクエアフォーマットを中心とした構成で、会場全体の流れも意識しています。
大型プリントは奈良県内の設備を利用し、自ら用意したロール紙で出力しました。画素数だけを追求するのではなく、大判プリントならではの存在感や空気感を感じていただければと思います。


使用機材について教えてください。

長年メイン機として使用してきたのはニコンD810です。以前はD300やD600シリーズを使用し、近年はZ6でも撮影しています。
このシリーズは約10年間にわたる作品ですが、展示に向けて改めて見直し、新たな作品も加えながら全体を再編集しました。


写真を始められたきっかけと、ニコンサロンとの思い出をお聞かせください。

写真を本格的に始めたのは1982年頃です。写真家とのご縁から大阪のクラブに入り、その後ニッコールクラブ心斎橋支部の立ち上げにも携わりました。

写真家の先生方の指導を受ける中で、写真展という表現の魅力を知り、2011年には「8月6日の広島」をテーマに初めてニコンサロンで個展を開催しました。
その後も1~2年ごとにニコンサロン大阪で作品を発表し、今回が6回目の個展となります。ニコンサロン大阪の閉館はとても残念でしたが、多くのことを学ばせていただいた大切な場所です。
近年は藤岡亜弥先生から本格的なご指導を受け、北島敬三先生の作品や考え方からも大きな影響を受けています。
今回の作品は、ハナブサ・リュウ先生や大西みつぐ先生にもご指導いただきました。


今回の写真展への思いを教えてください。

過去には1度落選を経験しているため、今回展示できることは本当に嬉しく感じています。家族や写真仲間、ニッコールクラブの皆さんにも喜んでいただき、大きな励みになっています。

また、過去に十分な形で発表できなかった作品も、編集や構成を見直しながら、新たな形で再び発表したいと考えています。

今後取り組みたいことはありますか。

まだ発表していないカラー作品も数多くあります。テーマ性のまとめ方や見せ方には課題がありますが、個展だけでなく共同展やオンラインなど、新しい発表方法にも挑戦していきたいと思っています。


写真展を目指す会員の皆さまへメッセージをお願いします。

個展は、自分の写真を見つめ直し、作品を編集する力を養う大変良い機会です。多くの作品の中から展示作品を選び、一つのストーリーとして組み立てていく過程は、写真表現を大きく成長させてくれます。

コンテストとは異なる魅力がありますので、個展に興味のある方は、ぜひギャラリーへの応募など1歩踏み出していただきたいと思います。
写真にはさまざまな楽しみ方があります。コンテストを目標にする方も、個展を目標にする方も、それぞれの表現を大切にしながら、自分らしい写真活動を続けていただければ嬉しく思います。

後藤安男さん(中央)と、みやこ支部の皆様
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