ニッコールクラブ事務局

2025/06/10 13:00
三好先生の撮影日記 <Vol.22> 岩手・北山崎編

今月は夏風景を一足早くご覧いただこうと思いました。最近は何故か東北に足が向くことが多いのです。さしたる理由があるわけではありません。「撮りたい風景」がたまたま東北にあるという感じなのです。

そんな場所、岩手県あたりは一昨年、昨年とよく通いました。それまでは北方面というと雪風景でした。でも、今は季節に関係なく、訪れています。今月は岩手県、北山崎の写真をご覧いただきます。
北山崎は三陸海岸にある名勝。リアス式海岸が美しく映える場所です。撮影したのは7月の中旬。関東では夏真っ盛り。しかし、東北に来ると「やませ」という夏特有の冷たい北東風が吹きます。この風が風景に素晴らしいニュアンスを与えてくれるのです。

撮影には嬉しいことに、海に迫り出したウッドデッキがあります。この展望台から見下ろせる光景には格別なものがあります。夏らしい緑の木々。海には「やませ」を受けた雲がかかっています。NDフィルターをつけてスローシャッターで15秒。日本画のような風景が撮れました。

そして翌日、早朝に撮影準備をして、太陽が昇るのを待ちました。海からの霧深い光景、霞んだ風景を収めた時には、モネになったような、東山魁夷になったような気分でシャッターを切りました。霧の中にはツバメが飛んでいます。白い霧、燕の黒い影、なんと美しいコントラストではないか、と自然が与えてくれた絵画的な光景に感謝しました。

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投稿を表示私も北山崎に一人旅をしました。リアスの断崖を上から眺めるだけでは飽き足らず、数百段もある階段(と言っても丸木を並べた山道)を下って海辺に降りました。やはり苦心はするもので、断崖に打ち寄せる豪快な波しぶきに感動することが出来ました。また、津波の時の圧倒的な自然の猛威を想像することができました。