会場:ニコンプラザ東京 THE GALLERY 
第72回ニッコールフォトコンテスト ネイチャー単写真の部 銀賞の受賞も果たした溝部 久美子さんに、個展についてインタビューをさせていただきました。
今回のメインテーマは「雪山の風景」であり、特に北海道北部の利尻島での撮影を中心に行われました。利尻島は島全体に山がそびえており、風向きにより天候が非常に不安定になるため、晴天のタイミングを見極めて撮影する必要がありました。
厳しい気候条件での撮影環境はどんなものだったのでしょうか? 
利尻の3月は真冬で、気温は-20℃近くまで下がります。1週間に1度あるかないかの晴天を狙って現地入りするものの、実際に撮影できるのは1日あるかどうかという厳しい状況です。
撮影地の利尻島、隣にある礼文島を合わせ、4年間の間に13回ほど訪れ、合計114日滞在しました。しかし、それでも撮りきれていないです。まだ撮りたい角度、場所、イメージしている山の姿があるので、しばらく満足するまでは島にいきたいです。
Z8をメインに撮影しました。使い勝手がよく、また氷点下の中でのバッテリーの持ちが良かったです。島に持っていくので撮影の途中で壊れてしまったら困ります。Z8は厳しい寒さの中でも安心して使用でき、信頼しています。
現像やプリントをするうえでこだわった点はなんですか? 
自分が景色を見たときに感動した気持ちなど伝えられるように、なるべく見たものに近い色味になるレタッチを心がけました。彩度を下げておしゃれにするなどはしないようにしたいんですけれども、思い出が乗っかるので、少し派手になってしまうこともありました(笑)。
もともとは旅行好きで、30か国以上を訪れていたことからです。写真を撮らないと感動した記憶などを忘れてしまうので、記録として撮り続けていたことが今につながっていると思います。見たことのないものを見たい、という探求心から登山につながりました。
写真への取り組みは基本的に独学です。最初のうちはピントがずれていたりする記録写真ばかりだったのですが、撮っているうちに、よりよく綺麗に残したいと思うようになりました。SNSやYouTubeなどを通して勉強し、よりきれいに撮れると楽しいです。
写真展にチャレンジする方にメッセージがあれば教えてください。 
自分で撮影してきた写真をまとめてみることは、凄く意義のある事だと思います。
 
    
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投稿を表示雪を抱く険しい頂きに鳥が舞う写真に錯覚か?と思い海からそそり立つ独立峰の利尻岳で同種の山岳写真は見たことがありませんので大変なインパクトを受けました。富士山と同じく独立峰で遮るものが無くまた標高がダイレクトに標高差と成りますため風と標高差で大変険しい山ですので、登山には細心の注意を払って良い作品を増やしてください。
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投稿を表示撮影地の近くで生まれ育った者です。ギャラリーで写真展を拝見いたしましたが、あの厳しい冬の中、撮影された写真かと思うと、本当にご苦労があったかと思います。力強さと繊細さが感じられる写真でした。是非、また拝見したいと思います。