【イベントレポート】12/4 機材サークル ...

【イベントレポート】12/4 機材サークルオンラインセミナー

機材サークル　オンラインセミナー
『知っておきたい動画用語とカメラの設定をマスターしよう！』

12月4日（木）20時より、機材サークルのオンラインセミナーを開催しました。
今回のテーマは「知っておきたい動画用語とカメラの設定をマスターしよう！」です。
動画撮影に関する難しい用語について、上田先生がとても分かりやすく解説していただきました。PHOTO HUBをご利用の皆様の中には、静止画撮影はよくされるけれど、動画撮影はあまり経験がない方も多いのではないでしょうか。動画撮影の知識も身につけておくと、表現の幅が広がりますので、ぜひ覚えておくことをおすすめします。

まず、動画撮影を考える際に知っておきたい「ビデオライク」と「シネマチック」という2つの表現方法について説明がありました。

ビデオライク：リアリティを重視した映像表現です。テレビや報道現場で多く使われ、全体にピントが合っている（パンフォーカス）状態で撮影し、色彩の調整などはあまり行いません。

シネマチック：映画のような空想世界を演出する映像表現です。背景をぼかして（被写界深度を浅くして）、独特の世界観を作り出します。

また、上田先生から「ニコンのカメラは見たままの世界に近い映像が撮れるため、デフォルトの設定はビデオライク寄りである」というお話がありました。セミナーでは、こうした基本的な考え方から、動画用語の詳しい解説へと進みました。今回はNikon ZRを使用してご説明いただきました。

【動画記録ファイル形式について】

動画記録ファイル形式にはいくつか種類があり、使い方によってファイル形式の選び方が変わります。各ファイル形式の特徴は以下の通りです。

① H.265　or　H.264
編集せずにスマートフォンに送るだけ、SNSへの投稿などに向いています。

② H.265 10bit　or　ProRes 422 HQ
動画を編集したり、彩度や明るさなど色を調整したい方向けです。

③ RAW動画
静止画のRAWデータと同じ考え方で、後で細かく編集したい場合に使います。

ちなみに「bit」とは「bit深度」のことで、色の階調の細かさを表しています。bit数が高いほど色を細かく表現できますが、その分データ容量も大きくなります。動画撮影後にグレーディング（色味調整）をしたい場合は、bit数が高いものを選ぶと階調の破綻が起こりにくくなります。

8bitと10bitの違いは、通常人間の目ではほとんど分かりませんが、編集作業を行う場合は10bitの方が多くの色情報が含まれているため階調破綻が起こりづらくなり、より表現の幅が広がります。

映像は主に「輝度（明るさ）」と「色」の情報で構成されています。人間は明るさの変化には敏感ですが、色の変化には鈍感なため、コーデック(圧縮フォーマット)では、人の目には見えない色の情報を間引くことで、容量を小さくしています。

「H.265 10bit」はデータが圧縮されているためデータ量が少なくなりますが、編集時には少し処理が重くなります。一方、「Apple ProRes 422 HQ」は圧縮が少ないためデータ量は多くなりますが、編集しやすいという特徴があります。

【階調について】
SDR…静止画でいう「撮って出しJPEG」のイメージで、編集せずにそのまま使える階調モード

N-Log…グレーディング（色調整）を前提とした階調モード

【N-Log 作例】

【Log SDR早見表】

用途に応じて、これらの階調モードを使い分けることが大切です。

HLG…Apple製品（iPhone、iPadなど）との互換性がある階調モードです。明るい部分と暗い部分をバランス良く撮影したい方におすすめです。最近はスマートフォンで撮影される映像にもよく使われています。

【上田先生からのアドバイス】

とにかく気軽に動画撮影を始めたい方には「SDR」がおすすめです。編集せずにすぐ使えるので、ハードルが低いです。慣れてきて知識がついてきたら、「N-Log」で撮影し、グレーディングを行うことで、より高品質な動画制作が可能になります。
これから始める方には、「H.265 10bit・SDR階調モード」での編集がおすすめです。編集しない方は「H.265 8bit・SDR階調モード」が手軽でおすすめです。

【RAW動画について】

静止画で使われているRAWデータの動画版と考えていただくと分かりやすいです。ただし、動画の場合はbit深度が12bitで、静止画は14bitとなるため、静止画よりも表現の幅は少し狭くなります。それでも、H.265などの通常の動画フォーマットよりは幅広い表現が可能になります。
オンラインセミナーの一部を抜粋してご紹介させていただきました。動画の撮影については、「難しそう」「自分にはハードルが高いのでは」と感じていらっしゃる方も多いかと思います。今回のオンラインセミナーが、そうした方々にとって、動画制作への第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
次回のオンラインセミナーでは、具体的な撮影方法やコツについて、より詳しくご説明する予定です。これから動画撮影に挑戦してみたい方はもちろん、すでに始めている方にとっても参考になる内容を準備しておりますので、ぜひご期待ください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております！！
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