
【イベントレポート】2/15 ポートレートサークル オンラインセミナー
ポートレートサークル オンラインセミナー |
1月25日(土)に鳥取県立美術館で開催されたワークショップに参加された方々の作品講評のオンラインセミナーを開催いたしました。まだ開館前という貴重な空間をニッコールクラブが貸し切り、とても贅沢で特別なシチュエーションだったシーンを皆様はどのように撮影され、作品に仕上げられたのでしょうか。たくさんの作品が投稿されていますので、ぜひポートレートサークルに登録していただき、皆様の作品をご覧ください。
オンラインセミナーでは、画面越しに再会したワークショップ参加者と楽しく会話をされる佐藤先生がとても楽しそうにリラックスされた表情で、皆様も緊張がほぐれたように感じました。そして佐藤先生は投稿された作品をご覧になりながら、当時撮影していた時に感じられたモデルのポージングや姿勢から、肩が片方に落ちてしまうクセや指先のポージングを時折説明しながら、作品を講評していただきました。
それでは、講評の一部をご紹介いたします。

鳥取県立美術館は、柵などのラインが床から天井にいたるまで、あらゆるところに多かったのが印象に残っていて、その構図の面白みを上手に活かして作品に仕上げられているなと感じました。撮影されたカメラはZf、レンズはNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sで撮影した作品で、この場所の光を上手に使い、透き通るような肌質も美しく表現できた作品になっていると佐藤先生が講評されていました。
パパさん

作品全体の色味がアンバー調で統一性を感じたと佐藤先生に、作者のパパさんの意図が写真で表現されたことがわかりました。佐藤先生はモデルのいろいろな表情を切り取られていて、1枚目の作品はなめらかな肩からアゴのラインをよく切とりとられていると仰っていて、作者のパパさんはどのように切り取るかを悩んだとのことでした。できるだけトリミングせず、撮影時に構図を意識しながらシャッターを押すことで、より写真の技術力が上がっていき、それが楽しみにつながっていくと佐藤先生はお話されていました。
モデルの一瞬の表情や視線を狙い、さらには背景や構図を考えながら撮影を行う…
難しくもありますが、楽しさにつながるというお話が、写真を楽しんでいる皆様も共感されたのではないでしょうか。私はこのお話を聞き、今まで説明できず言葉にならなかった、撮影する楽しさを佐藤先生に改めて教えていただきました。
まさやん さん

ボケ具合とモデルの表情とがバランス良く仕上げられた作品だと佐藤先生はお話され、まさやんさんはせっかくのシチュエーションなので、背景なども意識して撮影しましたと回答されていました。背景のボケ感で館内の広々をした空間を感じながら、モデルの柔らかな表情が印象的な作品です。

また鳥取を意識し、山を背景にして撮影したかったとお話され、撮影時に山を背景に一生懸命撮影されていた方がいて、それが印象に残っていると佐藤先生もその時のシーンを思い出しながら、楽しそうにお話されていました。そしてまさやんさんから「撮影は、シミュレーションしていた場所で撮影をするのか?」という質問がありました。
佐藤先生はロケハンもしてますが撮影時その時の光の様子で判断しながら撮影している。ただ光は常に動いていて、良い光だ!と感じても、モデルは「物」ではなく「人」。モデルへの配慮もしながら撮影していく。写真を撮っていると自然と常に光を意識して暮らしている自分がいて、写真家ならではの習慣だとお話いただきました。
光を意識した生活により、撮るものへの視点がレベルアップしていくのではないでしょうかとのことでした。キャリアを重ねた写真家人生があるからこその内容で、到底その領域に達するまでには、鍛錬を積み、修行が必要だと感じました。
はるりんさん

暗い表現でモデルのしっとりした表情が印象的に仕上げた作品でしたが、暗すぎたように感じるとの佐藤先生に、はるりんさんは仕上げの調整をどこまで明るくしたらいいのかと悩んだとおっしゃっていました。佐藤先生は何を表現したいのかは伝わります、手の甲や足元の光が美しいので、もう少し明るくても良かったのではと、実際に明るさを調整してみせていただきアドバイスされ、その明るさ調整だけでグッと作品の質がアップしたように感じました。
佐藤先生は肌を基準にして調整していくのが大事ということが前提にはあるが、今回のワークショップ作品は全体的に少し暗めな作品が多く感じたとのことで、最後にNX Studioを使用してデモンストレーションしていただき、はっきりとした違いを分かりやすくお話いただきました。

そしてセレクト力を鍛えるために前回の講評から、しっかりセレクトして投稿するようにと指導を受け、今回じっくりセレクトした渾身の作品を投稿される方もおられました。難しくもありますがこの心がけがより良い作品に近づいていくのだと感じます。
セレクトのアドバイスでは、自分の中で何か基準になるものを見つけ、最初は大まかなにセレクトをし、作品に印をつけながらさらに引き算したセレクトへ。最終的に数カットまで選べるよう進めていけば、良いカットを見逃さずに作品として仕上げられるとのことでした。
今回のオンラインセミナーも、たくさんの作品を佐藤先生の視点で愛のあるアドバイスをしていただき、いろいろな作品の講評を自分自身に置き換え、学ぶことが多いオンラインセミナーでした。アットホームは雰囲気のポートレートサークルのイベントにまだ参加されたことのない方は、オンラインセミナーから参加されてみてはいかがでしょうか?
ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております。
過去に開催されたワークショップやオンラインセミナーのレポートはこちらからお読みいただけます。