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【イベントレポート】2/8 ステップアップサークル オンラインセミナー

ステップアップサークル オンラインセミナー
ふんわりやさしい写真を撮ってみよう!


2月8日(土)10時より、ステップアップオンラインセミナーを開催しました。
今回のオンラインセミナーの内容は、「ふんわりやさしい写真を撮ってみよう!」でした。

「ふんわりやさしい写真」とはどのようなものでしょう?
  ふんわり →  境界線が曖昧
  やさしい →  穏やかな色合い・パステルカラー・柔らかい光

 “ふんわりやさしい”というと、まずは皆さま“ボケ味”を思い浮かべるのではないでしょうか。ボケ味は、絞りの数値(f値)によって変わります。数値が小さい(開く)とボケ味が大きくなり、反対に数値が大きくなる(絞る)とボケ味は小さくなり、被写界深度が深くなります。下右の資料を見ると、f1.4のお写真はふんわり(境界線が曖昧に)写るのに対し、f8の写真は背景まではっきり、くっきりと写って見えるのがわかると思います。

ピントが合って見える範囲を『被写界深度』といい、左の表のように浅い・深いという言葉で表します

ボケ味を作り出す4つの工夫として、レンズの焦点距離・絞り(f値)、被写体までの距離・被写体から背景までの距離について、右下資料をもとに秋山先生に説明していただきました。

4つめの、被写体から背景までの距離については、こちらのお写真がわかりやすいと思います。

青い猫ちゃん(獅子?)の被写体を基準に、白い招き猫の位置を移動してみます。左のお写真の招き猫は被写体より遠くにあるため、ボケ効果が大きくなり、反対に右のお写真の招き猫は被写体に近い位置にあるためボケ効果は小さくなっています。

撮影時の光の種類においては、逆光・半逆光の光を探して撮影すると、下の作例のような柔らかい光や玉ボケによる“ふんわりやさしいお写真”の表現ができるそうです。

●逆光
マイクロレンズを使用して撮影(最短撮影距離が短く、近接撮影が可能)。光を通すような被写体を選び、花びらの先端ではなく花びらの中央あたりにピントを合わせ撮影すると、背景と花びらが溶け込むような印象になる。
●逆光 玉ボケ
木漏れ日の光を探し、絞りを小さくして撮影。(玉ボケの輪郭を出したい場合は絞りを大きくする)
●半逆光
斜め後ろからの光。主役となる被写体が完全な影になるわけではなく、部分的に光があたっている状態。ふんわりやさしいけれども主役の立体感を活かせる撮影ができる。室内の場合は、屋内灯で撮影するよりは、窓際などの自然光が入る場所で撮影すると良い。

また秋山先生は、「写真はこう撮らなければならないという決まりはなく、自分が作りたい絵を撮影するのが正解で、自分が素敵だと思う作品であればそれが正解です。」とおっしゃり、「自由な発想でいろいろと試すことが大切で、ステップアップし楽しむポイントになる。」ともおっしゃっていました。自由な発想ということで、こちら。なんと透明のペットボトルを使って、フィルター効果を作ってらっしゃいます。個装された透明のマスクの袋などもオススメだそうですよ(^^)

ポイントは、ペットボトルをよりレンズに近づけること。
AF(オートフォーカス)でのピントが合いづらい場合は、MF(マニュアルフォーカス)にすると良い。

更にふんわりやさしいお写真の撮影法の一つとして、【多重露出】について教えていただきました。
こちらでは、多重露出の「加算平均(AVG)」について掲載いたします。

左:2枚目の写真はあえてアウトフォーカス(ピントを外す)でグリーンが重なるように撮影。
右:加算平均後のお写真。

【撮影時に加算平均する場合】
静止画撮影メニュー→ 多重露出合成モード → 加算平均 を選択して撮影。主役となる写真を撮り再生し、次にどういう写真を重ねていくといいか判断し、2枚目の写真を撮る。2枚の写真を重ね合わせつつ、ちょうど良い明るさにカメラ内で仕上げてくれる。

【撮影後に加算平均したい場合 (RAWで撮影しておく必要がある)】
iボタン → 画像編集 → 加算合成 → 合成したい写真を選択 → 合成の比率を調整
(カメラの静止画撮影メニュー設定画面で多重露出がオンの設定になっていると、撮影後に再生して多重露出の仕上げができないので注意。iボタンを押した時に画像編集メニューが効かなくなる。)

※SDカード内に無い写真を加算合成したい場合
一度シャッターを切り、SDカード内にフォルダを作る。その中に例えばハードディスク内の合成したい写真を同じフォルダに保存しカメラで読み込む。ハードディスクに保存されていたRAWデータをカメラが認識し、加算合成を行うことができる。注意点としては、同機種のカメラで撮影したRAW現像のみ行うことができるということ。Z8で撮影したものをZ8のカメラで読み込み加算合成はできるが、Z30で撮影したものをZ8のカメラで読み込み加算合成はできない。

その他、前回のオンラインセミナーのおさらいとして、アクティブD-ライティング・ヴィネットコントロールの説明もしてくださいました。(内容は、こちら前回のオンラインセミナー記事をご参照ください。https://nc-community.nikon-image.com/announcements/qslzznoespvi9n3j)

今回のオンラインセミナーも、“ふんわりやさしい写真を撮ってみよう”というテーマのもと、
たくさんの内容をお話していただきました。すべてをご紹介することはできませんが、このレポートが少しでも皆さんの作品作りのお役に立てれば嬉しいです。
秋山先生、ご視聴いただいた皆さま、ありがとうございました!!
 


~ステップアップサークル作品募集中~
お題 「ふんわり写真を撮ってみよう!」
投稿期間:2025年5月9日(金)16:00まで


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2 件の返信 (新着順)
chinaco
2025/03/25 06:36

記事をまとめて下さりありがとうございます。
入会が遅れて、実際に講義を聞けなかったので大変嬉しいです。
ちょうどステップアップの課題だったので早く拝見したかったので助かりました。

poyaji
2025/03/24 19:59

秋山先生の講義内容は、小生の断片的な知識を体系立てて下さり、また、欠落しているところを埋めて頂き、さらには新しい技(今回は、ペットボトルなどの利用当)を披露していただけ、大変参考になりました。
一方、PHOTO HUBスタッフさんには、盛沢山な1.5時間にもおよぶセミナー内容をまとめるのはさぞ大変なこととだったと思います。おかげで、忘れかけていたことを思い出すことが出来ました。これからもよろしくお願いいたします。